和綴じ冊子

2021.04
T様ご依頼
冊子印刷:インクジェット/ 和綴製本
※表紙イラストはお持ち込み

T様よりある書籍から一部を抜き出して、製本していただきたいとのご依頼をいただきました。

その書籍とは、『わたしの昭和』というテーマで愛媛県内から一般公募の形で寄稿を募った文集のような一冊。その寄稿されたお一人に、T様の亡くなられたおじい様がいらして、その文章を製本し、いつでも持ち歩けるようにしたいと、なんとも胸がぎゅっとなるご依頼をいただいたのでした。
文中には、T様のお母様を始め、お父様も、T様のお名前ももちろん、弟妹さんもでてきます。
おじい様にとても可愛がってもらったとのこと、原本の一冊の書籍はご家族で読み込まれたであろう痕跡が有り有りと。

製本するのにサイズ感や、紙質、仕様など、お話を聞いていると、普段のWSでつくる和綴じノートのサイズ感がちょうどよく、紙質も気に入っていただけたので、いつもの和綴じ仕様で、中のページには、おじいさまの言葉をこちらで打ち込み、印字させていただきました。
表紙に関しては、T様が大人のお絵描き教室に参加されていたとお伺いし、せっかくなのでご自身で表紙の絵を描いてみませんか?と提案させていただきました。
その提案にも快くのってくださり、文中の一場面にでてくる”曼珠沙華(ヒガンバナ)”を描いていただきました。
その原画をスキャンし、こちらでなるべく原画の色味に近づけて印刷。
思っていたより、水彩画の柔らかなタッチが和紙に載って、自然な仕上がりで印刷できました。
お渡しした際、和紙に載った文字を見て、
「やっぱり和紙は、いいですね」とにっこりしてくださったことがとにかく嬉しかったです。
素敵なご依頼をいただきありがとうございました。

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